ICT 活動報告

夏休み、藤沢に「ITエンジニア」が18人生えた日――明治市民センターお仕事体験レポート

2026年8月1日(土)、神奈川県藤沢市の明治市民センターで、小学生向けのお仕事体験「ITエンジニアになってお仕事体験しよう!」が開かれました。講師役として出菌したのは、キノコ4名。夏の藤沢は気持ちのいい快晴で、まずは玄関の看板の前で、恒例のキノコポーズから一日がはじまりました。

明治市民センターの看板前でキノコポーズをとるキノコたち

今年のテーマが「ITエンジニア」になるまで

明治市民センターでは毎年夏休みに、子どもたちのお仕事体験を開催しています。これまでのラインナップは、市会議員体験、ドッグトレーナー体験、作家体験。そこに今年、「ITエンジニア」が加わりました。

きっかけは半年前にさかのぼります。2026年2月、同じ藤沢市の「ロボリンク」でキノコが開いたゲーム制作×ドローンのワークショップ。その様子が藤沢市の方の目にとまり、湘南産業振興財団さんのご紹介でお声がけいただきました。ひとつの出菌が、次の出菌の胞子になる。キノコにとって、これがいちばん嬉しい広がり方です。

藤沢市・明治市民センターからの講師依頼の内容をまとめたイラスト

いただいた依頼文には、こう書かれていました。「日頃なかなかできないことに取り組む場を提供し将来について考えるきっかけとすることを目的に」。キノコが掲げている「大人の一歩を、子どもたちの百歩に」と、まっすぐ同じ方向を向いた言葉でした。

20人の枠に、抽選

抽選で選ばれたのは、小学4〜6年生の20名(4年生14名、5年生3名、6年生3名)。応募多数で抽選になったと聞いて、キノコたちも思わず背筋が伸びます。当日、会場に集まってくれたのはそのうち18名でした。

講座オープニングで自己紹介をするキノコたちと参加した小学生

オープニングは「ITエンジニアって、どんな仕事?どうやったらなれるの?」というお話から。スライドの「わたしは、キノコ○号です!」で自己紹介を済ませたら、あとはひたすら手を動かす時間です。

手のひらサイズのコンピューターと、一人一台のChromebook

micro:bitプログラミングの説明スライド

この日の主役は、手のひらに乗る小さなコンピューター「micro:bit」。タブレットは藤沢市の教育文化センターからChromebookを20台お借りして、一人一台の体制を組みました。順番待ちのない90分は、それだけで体験の密度が変わります。

カードを並べて、キノコを動かす

キノコbitプレイルームのめいれいプログラムに取り組む様子

教材に使ったのは、キノコのプロダクト「キノコbitプレイルーム」。「まえ」「みぎ」「くりかえし」といったカードを順番に並べて、画面の中のキノコを目的地まで導く「めいれいプログラム」です。

うまくいかないときは、壁にぶつかります。そこで大事なのは、どこで間違えたのかを自分の目でたどって、なおすこと。かっこいい言い方をすれば、これがエンジニアの仕事の土台にある「デバッグ」です。子どもたちは誰に言われるでもなく、カードを並べ替えては試し、また並べ替えていました。

micro:bitが、コントローラーに変わる瞬間

micro:bitをコントローラーにした反射神経バトルの画面

micro:bitをUSBでつなぐと、そのままゲームのコントローラーに早変わり。「いま押す!A+B」の合図に合わせてボタンを連打する反射神経バトルでは、COMBOの数字が伸びるたびに教室から歓声があがりました。

さっきまで「プログラムを書く道具」だったものが、急に「遊ぶ道具」になる。この切り替わりの瞬間が、いちばん盛り上がります。

自分のプログラムで、キノコが動き出す

Scratchラボでシューティングゲーム「キノベーダー」を作る様子

Scratchラボでは、シューティングゲーム「キノベーダー」づくりにも挑戦しました。自分が組んだプログラムで、画面のキノコがはじめて動いた瞬間の顔。あの表情を見るために出菌していると言っても、大げさではありません。

木のアーチの下で、ドローンとスフィロ

後半は、隣の建物の体育室へお引っ越し。木のアーチ天井が美しい、開放感のある空間です。

木のアーチ天井の体育室で小型ドローンTelloを操縦する様子

ここではまず、ドローンが実際に活躍している現場のお話を聞いてもらってから、小型ドローン「Tello」の操縦体験へ。広い体育室にプロペラの音が響きます。

ボール型ロボットSpheroを使う「スフィロでGO!」のスライド

続いて登場したのが、ボール型のプログラミングロボット「Sphero(スフィロ)」。「スフィロでGO!」と題して、タブレットから命令を送ると、透明なボールがコロコロと走り出します。進む距離もスピードも、光る色も、ぜんぶプログラミング次第。最後はスフィロボーリングで対決しました。

画面の中だけで完結せず、目の前のモノが自分の命令で動く。この手ざわりは、体験してみないとなかなか伝わりません。

最後は、キノコ54号から

締めくくりは、キノコ54号による「ITエンジニアって、こんな仕事」のお話。ゲームやドローンで遊んだ90分が、仕事の話とつながって一本の線になります。

子どもたちのアンケートより

終了後、参加した18名全員がアンケートに答えてくれました。以下はその一部です(原文ママ、お名前は伏せています)。

4年生

ゲームをつくったり、ドローンをつくったら、にんてんどー(任天堂)にはいってみたいと思いました。

いろいろなプログラミングのことを学べてよかったです。プログラミングはさいしょは、つまらないと思っていたけれど、楽しく思えてきました。

プログラミングってふつうのただ、しゃべるじゅ業だと思ったけど、全ぜん楽しかった。すごく満足した。

ドローンそうさとか、ほんらいできないことができてたのしかった。

私は、パソコンやタイピングが好きなのですごく楽しかったです。こまっていたら手をかしてくれてとてもあんしんしました。自分の好きなように動かせて楽しかったです。

まるいやつがかわいかった。スクラッチきのこおもしろい。

5年生

今日は色々なことがまなべて、楽しくおもしろく、すごくいい1日でした。こんどは、人のやくにたつようなことをしたいです。

今日の「ITエンジニアお仕事体験」におうぼしてよかったです!今日はドローンが一番楽しかったです。私は、家ではスマホでそうさできないので、写真などがとれたりできてほんとに、いいけいけんになりました。ありがとうございました。

6年生

今日は、ドローンを動かしたり、小さいボールみたいのを動かしたりしてたのしかった。また、このITエンジニアのお仕事体験があったら行きたい。

今日は、初めてドローンをとばしてみたとき、こうなって動かせるんだなあと思いました。プログラマーのお仕事体験があってほしい。

「さいしょは、つまらないと思っていたけれど」「ふつうのただ、しゃべるじゅ業だと思ったけど」。この一言が書いてもらえただけで、出菌した甲斐がありました。手を動かす前と後で、プログラミングの見え方が変わった証拠だからです。

そして「こんどは、人のやくにたつようなことをしたい」。ITを何に使うかまで自分で考えはじめている子がいたことに、キノコたちのほうが背中を押されました。

大人の一歩を、子どもたちの百歩に

ITエンジニアという仕事に、はじめて触れた18人。この日の90分が、いつか「そういえば夏休みにドローンを飛ばしたな」「プログラミング、けっこう楽しかったな」という記憶のかけらになって、進路を考えるどこかの場面でひょっこり芽を出してくれたら。そんなことを願いながら、キノコたちは藤沢をあとにしました。

明治市民センターのみなさん、藤沢市のみなさん、そして参加してくれた18名の未来のITエンジニアのみなさん、ありがとうございました。

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